旧市街からポルタ・ロマーナ(ローマ門)を抜けて、Via Senese(セネーゼ通り)を5分ほど上がっていくと左手に見えてくるTRATTORIAの黄色い文字。Da Ruggero(ダ・ルッジェーロ)は、おひとり様の常連客が毎日のように通いつめ、日曜日のランチには家族連れが集い、評判を聞いた旅行客がタクシーで乗り付ける、そんな「誰もが行きたくなる」トラットリアです。
お料理はこてこてのトスカーナ料理。最近は、特に旧市街では観光地ゆえトラットリアでもリストランテ並みの値段がするお店が増えていますが、この店はトラットリアとしての姿勢を崩さない良心的な値段であるのが人気の理由のひとつ。でも人気の一番の理由はなんといっても、どの皿もハズレなしの旨さにあります。
お店に行ったら絶対に食べてもらいたいのが、一枚目の写真にあるニンニクと唐辛子が効いたトマトパスタ、Spaghetti alla carrettiera(スパゲッティ・アッラ・カレッティエラ)。固く茹でた細めのスパゲッティに酸味が抑えられたトマトソースが絶妙に絡んだ天下一品の味です。上の写真のトマトのパン粥 Pappa al pomododro(パッパ・アル・ポモドーロ)も絶品。カレッティエラはシェアしたいというと二皿に分けて持ってきてくれるんですが、少食の人なら十分一人前ほどある太っ腹なボリューム感です。
手書きのメニューには、定番料理が旬の食材を使った料理が書かれています。イタリア語のみですが、英語が流暢なカメリエレがいるので大丈夫。プリモには、そのほかトスカーナパンを野菜と一緒に煮込んだRibollita(リボッリータ)やTortelli di Patate(トルテッリ・ディ・パターテ)、うどんのような麺のPici(ピチ)などトスカーナの代表的な皿が並びます。
セコンドの肉料理にも抜かりなし。トスカーナ名物ビステッカもいいですが、必食なのがこのArista(アリスタ)。豚ロース肉をローストしたアリスタは、ジューシーで、ナイフを入れると分厚い肉がホロっとくずれる柔らかさ。一口頬張った瞬間に思わず感動で笑みがこぼれます。
Roast Beef(ローストビーフ)も外せない逸品。薄切りのローストビーフはしっかりと味が染み込んでいて、旨みたっぷり。肉汁ソースまで美味しいのでついついパンがすすんでしまうんですよねぇ。セコンドにはその他、サルシッチャのグリル、鳩肉や仔牛肉のグリルなどなど。シーズンの秋や6月には、ポルチーニもメニューに加わります。Cappella di fungo porcino(ポルチーニ茸のグリル焼き)をメニューに見つけたら、迷わずオーダーすべし。肉厚で柔らかな生ポルチーニのグリルは至福の味ですよ。シーズン物の付け合わせなら carciofi(アンティチョーク)やpuntarelle(プンタレッレ)もおすすめ。
お腹がいっぱいでもやっぱり頼んでしまうドルチェが、Creme Caramel(キャラメルプリン)。キャラメルがほろ苦く、そこはかとなく昭和の香りが漂う懐かしい味が楽しめます。
トスカーナの伝統菓子 Cantucci(Biscotti di Pratoとも呼ばれる)は、甘い食後酒 Vin Santo(ヴィンサント)に浸していただきます。
その他、日に寄ってラインナップは変わりますが、ティラミス、レモンシャーベット、焼きリンゴ、チョコレートケーキ、クロスタータなどがあります。栗の季節には、栗の粉で作るcastagnaccio(カスタニャッチョ)と呼ばれるケーキも。
一般的なお店と比べ料理が出てくるのも早く、カメリエレたちの気持ちが良いほどの機敏で無駄のないサービスで、夜は7時半からと9時からの2回転。もちろん予約は必須です。特に週末は早めの予約をお勧めします。これぞトスカーナのトラットリア・ダ・ルッジェーロ、料理を口にした瞬間「ああ、こんなのが食べたかった」、そしてお店を出るときには「必ずまた来たい」と思わせてくれる良店です。
Trattoria Da Ruggero /トラットリア・ダ・ルッジェーロ
所在地:Via Senese, 89R, Firenze
電話番号:055 220542
営業時間:月、木〜日 12:00~14:30、19:30~22:30
定休日:火、水(8月は夏季休業あり)
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