職人たちの工房が集まるサン・フレディアーノ地区にある ATELIERGK FIRENZE(アトリエGK・フィレンツェ)は、イタリア人のLapo Giannini(ラポ・ジャンニーニ)さんと日本人の桑田宝子さんが営む製本工房。お二人は製本や革装丁、書籍修復の他にインテリアオブジェ制作や美術品修復を手がけています。工房は小さなお店も兼ねていて、文房具や箱など紙や革を使ったハンドメイド製品も販売されています。
ジャンニーニさんは、フィレンツェ最古の製本業の家系で六代目にあたる生粋の製本家。桑田さんは、学生時代を日本・米国・フランスで過ごした後、2002年よりフィレンツェに移り住み、フィレンツェ美術修復学院、フィレンツェ国立中央図書館修復部門を経て、2010年にジャンニーニさんと共にこのAtelierGKを構えました。そして2018年には、スイスのミケランジェロ財団より「欧州で最も優れた芸術家」の一社に選ばれるという輝かしい実績を手に入れています。
店内に所狭しと並ぶのは、フィレンツェの伝統柄の紙を用いたノート、アルバム、額、箱、ファイル、付箋紙、しおり、カード、版画、プリント紙、マーブル紙、特注の名刺などなど。紙好きにはたまらない、お宝がいっぱい詰まったお店です。
プリント紙やマーブル紙を用いた商品は街中のいたるところで見かけますが、このお店に置かれているのは、お二人の丁寧な仕事ぶりがうかがえる上質なものばかり。製本や古書の修復で培われた繊細で高い技術力が、商品一つ一つにも活かされているんですね。彼らのオーダーメイドの作品や修復作業の様子はアトリエのHPで見ることができます。
アトリエは使用する材料にもこだわっています。使用しているプリント紙は、1901年創業フィレンツェ最古のグラフィック会社に注文して刷らせているもの。昔ながらのオフセット印刷で丁寧に刷られた上質のプリント紙は、その厚さも弾力も製本作業に理想的なのだそう。上品で洗練されたテイストのプリント柄も魅力的です。
小物入れ用の小さなサイズから収納にも使える大きなサイズまで揃った、ディテールまで美しい仕上がりの箱は、お洒落なインテリアの一部として、置くだけで様になるスタイリッシュさ。店頭にあるサイズで柄違い、大きさも柄も選ぶ、取っ手など部品を付けるなどのセミオーダーも可。制作時間は、大きさや数、材料(布張りは失敗が許されないので紙張りより時間がかかるとのこと)によりますが、紙と厚紙の小箱1個ならば通常2、3日で仕上がるそうです。
デザインの可愛らしさに一目惚れする人続出のグリーティングカードは、なんと桑田さん自身がデザインを手がけたオリジナルカード。現在、ヴェネツィアのジョルジョ・チーニ財団ミュージアムショップで”Grazie”と”Auguri”と”Contratulazioni”の3種のみ限定販売していますが、その他のカードは、アトリエのみの販売となっているので、是非お店まで足を運んでみてください。
工房では、『製本エクスペリエンス』という初心者向けのプログラムも行なっています。自分のイニシャルを入れたノートを制作する2時間のレッスンです。また、長期で滞在の方には、『手縫い製本コース』(10時間)と『書籍修復コース』(20時間)のレッスンもあります。フィレンツェの旅の記念にぴったりなこのお勧めの体験プログラムとレッスン、詳細については、工房にメール(日本語可)で、もしくはサン・フレディアーノの工房にて直接お問い合わせください。
ATELIERGK FIRENZE/アトリエGK・フィレンツェ
所在地: Borgo San Frediano 133R, Firenze
電話番号:373 730 3272
営業時間:月~土 10:30〜13:00、 16.30〜19:00
定休日:日曜日、祝日、8月15日を挟む2週間(事前予約があれば休日も対応可)
URL:https://ateliergk.wordpress.com
メールアドレス:ateliergk@gmail.com
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